美しい新年の迎え方【正月の作法】
皆さん、今年は、どんな年でしたか? 来年こそどのような年にしたいですか。
今年もあと数時間で幕を閉じようとしています。新しい年2021年がやって参ります。
さて、今日はお正月にちなんだ作法について、暦博士よりご教示頂きました。
皆さんのご家庭では、どの様なお正月をご家族で迎えられますか。
正月は年中行事の中で最も重要です。
伝統とは無関係でも、一年という大きな公転周期を経過し、新たな周期に入ることを味わうことは今でも意味があります。
美しい新年を迎えるには松飾りや、鏡餅などの準備から始まります。歳(とし)神(がみ)様は美しい女性の神ということから 男性(家長や長男)が行うのが正式です。
除夜と元旦
大晦日から初日の出、江戸時代の庶民は大晦日の晩は寝ませんでしたから「除夜」といいます。年越しそばを食べ、除夜の鐘をついたら、初日の出を拝み、そして元日はひたすら寝て、二日から正月行事をしたといいます。
除夜をしない 武家や公家では元旦から儀式がありました。
現代の私達も元日の朝(元旦)起きたら、「若水迎え」をしましょう。
輪飾りをつけた蛇口から新年の水を汲むだけですが、気分だけは新鮮にしてそれで顔を洗い、お茶を入れます。
屠蘇(とそ)
三が日の朝は、家庭でおせち料理を頂きます。
家族全員が食卓に集合したら、正月の儀式として屠蘇を式三献(しきさんこん)の手順で頂きます。
日本では祝い事には必ず式三献(三三九度)の儀式を致しました。
式三献は儀式の基本です。正月の神聖な気分を演出する意味でも、ぜひ家庭で実行してください。
式三献の作法
家族での式三献は幼長の順で飲みます。家で一番年少の者に最上段の小さい盃を取らせ、屠蘇は子の成長を祈って親が注ぎます。
三回に分けて注ぎ(もちろん儀式なので少量でよい)、儀式的に三杯注いだことにします。
それを三口で飲みます。こちらも三杯飲んだことにするためです。
飲んだら杯洗で注ぎ、次の年少者に渡し、これをくり返します。
最後は一家の長老が飲みます。親には子が長寿を祈って注ぎましょう。
一順したら、二番目の盃は、二番目に若い者に与え、そこから一順します(最後に一番若い者になります)。
三番目の盃は三番目に若い者から一順・・・一人当たり三杯形式で三回、形式上計九杯飲んだことになり、
これで三三九度の式三献(略式)をしたことになります。
式三献が終わったら、最初の小さい盃に屠蘇を入れ、仏壇の先祖に捧げます。
最後に、全員で「おめでとうございます(京都では『お祝いやす』)」と言って、
この後はくつろいでおせち料理を頂きます。これを三が日の間毎朝実施します。
今、このような作法を取り入れている家は、あるのかしら・・・
それでは、皆様、今年一年大変、お世話になりまして、有難うございます。
良いお年をお迎えくださいませ。
合掌
彦根大仏 済福寺
住職