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3月21日 御先祖に合掌

皆様、こんにちは。もうご先祖のお墓には、お参りはお済でしょうか。
今日はお彼岸について、少し長くなりますが、お聞きくださいませ。
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春は3月の春分の日を中日として、前後3日間、秋は9月の秋分の日を中日として前後3日間の計7日間が「お彼岸」の期間です。

よく昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますが、ちょうどこの頃を季節の変わり目として考えている方も多いでしょう。
彼岸とは仏教用語の「波(は)羅(ら)蜜(み)多(た)(到(とう)彼岸(ひがん))」からきています。
この「到彼岸」とは「此(し)岸」から「彼の岸」へ到達することを意味します。

「彼の岸」とは、煩悩、苦悩を超えた悟りの世界のことです。そして煩悩にまみれ、苦悩に満ちた私たちの世界は「此(し)岸(がん)」といい、娑婆(しゃば)の世界、つまりこの現代の世界を指します。
此岸から彼岸の間には108煩悩の川が流れており、108の煩悩を捨て去った時、悟りの世界である彼岸にたどり着くといわれています。

祝日に関する法律では、春分の日は「自然を讃(たた)え、生き物を慈(いつく)しむ日」であり、秋分の日は、「祖先を敬い、亡くなった人たちを偲(しの)ぶ日」と定められています。
自然に対する感謝や祈りの念を抱くことがご先祖様に感謝する気持ちにもつながって、お彼岸は、あの世へ行かれた私たちのご先祖様を尊び供養する大切な行事になりました。

悩みの多いこの現実社会を生きて行く私たちですが、人それぞれの心底には、必ず生まれ持っての仏性(ぶっしょう)を持っているといわれています。
人間誰もが生まれた時がいちばん彼岸の世界に近いのではないのでしょうか。
この煩悩にまみれ、苦悩に満ちたこの「此岸」の世界によって仏性は覆われているだけなのです。

彼岸の1週間は生まれ持っての仏性をだすためのこころの修行をする期間でもあるのです。
人の「いのち」ははかないものです。
若くても老いても突然やってくる場合もあります。1日1日を大切に思う気持ちを常に持ち、
それと同時にご先祖様のことを偲び、「いのち」の尊さをかんがえる所に「彼岸」の心があるのです。
次回は、お釈迦さまの教えで自分も他の人もともに幸福になる到(とう)彼岸(ひがん)6つの教えをご紹介いたします。

合掌
彦根大仏 済福寺

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住職紹介


水谷 晴亮(みずたに せいりょう)
黄檗宗普渡山済福寺14代目住職
龍谷大学仏教学科卒業

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