新嘗祭ってご存じですか?
皆さん、おはようございます。
もう霜月も終わりですね。
いよいよ、2020年最後の月、師走ですねぇ。
師走は、私の生まれ月でしてとうとう五十路になってしまいます。
年は取りたくないものですねぇ。気だけは二十歳のままなのに・・・
さて、先日23日は、新嘗祭が執り行われましたねぇ。ニュースでも天皇がお車に乗って行かれる所が出ておりました。
陛下の【政(まつりごと)】(祭祀(さいし)と公務)のなかで最も重要な祭祀といわれます。
祝祭日の時代には【新嘗祭(にいなめさい)】の日でした。
11月23日の深夜から翌日未明にかけ、天皇陛下が天(あま)照(てらす)大神(おおみかみ)をはじめとする神々に新しくとれた米や粟(あわ)のご飯や酒などをお供えし、自らもお召し上がりになる祭祀です。7世紀の大化の改新の時代から11月の「下卯(げのう)の日」、つまり2回目の卯の日に行うよう決まっていましたが、改暦が行われた明治5年の「下卯の日」が23日だったことから、この日に固定されました。
収穫を感謝するだけではなく、天皇陛下ご自身も神々と「会食」されることで、翌年の豊穣(ほうじょう)に向けて力を得る意味もあるといいます。天皇陛下にとって、最も重要な祭祀とされてきました。
・・・戦前 天皇陛下の最大の仕事は一時期を除けば政治ではありませんでした。日本古来の文化を体現、継承することであったという事実です。
今でも奥能登地方の「アエノコト」のように、神に新穀(しんこく)をささげ会食することで新たな力をいただく行事が日本中に残っています。「新嘗祭」はそうした稲作にまつわる民間の伝承を取り入れたものだといえます。
天皇陛下が毎年「お田植え」や「稲刈り」をされるのも、そうした稲作文化を引き継いでいこうというご意志なのです。
宮中の親嘗祭は11月23日午後6時から8時までの「夕(ゆうべ)の儀」と、午後11時から24日午前1時までの「暁の儀」の2度にわたっての祭儀がおこなわれます。皇居内の神嘉殿において「夕の儀」では夕食を「暁(あかつき)の儀」では朝食を天皇陛下御手ずから神々にお取り分けになり食事を共にされ、私ども国民の平安をお祈り下さいます。
11月23日は戦前「新嘗祭」という祭日でしたが、戦後は「勤労感謝の日」と改称され休日の一つとなってその意義も忘れられてしまいました。
私達が夕食をしている頃に天皇陛下は神々と夕食をともにされ、そして私達が寝静まる頃には再び神々と朝食を共にしておられます。暖房の設備もない神嘉殿において、尊き御身ながら2時間もの長い時間を正座の御姿勢をおとりになりお祀りを遊ばします御姿は誠に恐れ多いことです。
昔、御所が京都にあった頃には京都の人は新嘗祭の日は一日中家で慎み、宮中での神事が終わるまで寝床に入らなかったといいます。
合掌
彦根大仏 済福寺
住職